動画形式の webm ファイルは Google が開発したもので、軽くて高画質な動画を実現する事を目的に作られています。軽くて高画質である事からインターネット上で親和性の高い動画ファイル形式で、Youtube 動画の標準フォーマットとして採用されています。
Windows10 で webm 動画を再生する事はできるのですが、再生できないものもあったりなかなか単純にはいきません。その理由は、動画のコンテナとコーデックの関係にあります。
目次
コンテナとコーデックの違い
コンテナとコーデックという単語はしばしば良く耳にするのではないでしょうか。コンテナとコーデックは全くの別物です。
コンテナはただの箱に過ぎません。動画を圧縮する方法であるコーデックを使った動画を、コンテナという箱に入れているイメージです。
コンテナをたんすに例えれば、コーデックは洗濯物の折りたたみ方です。たたみ方によってはたくさんの洗濯物を収納できます。
コンテナとは
mp4 や avi などよく聞く拡張子はコンテナです。そして、webm もコンテナなのです。
コーデックとは
よく聞く H.264, H.265 というのはコーデックです。動画の圧縮方法で、圧縮率が低いものや高いものなど色々あります。
コーデックのややこしい所は、例えば H.264 はコンテナのavi, mp4, mkv, flv にも入れる事ができるという点です。ようするに目で見えるコンテナ名(mp4)には何のコーデックが使われているか見た目にはわからないのです。
ここで話が戻りますが、webm ファイルが Windows10 で再生できるものと再生できないものがあるというのは、使われているコーデックが違うからなのです。
webmファイルを再生する方法
箱である webm に入れられるコーデックは VP8, VP9, AV1 があります。VP8, VP9 は Windows10 に対応していても AV1 には対応していないという事なんです。
AV1 コーデックが使われている webm 動画を再生しようとするとエラーが発生して再生できませんでした。
Windows10 で全ての webm ファイルを再生するには拡張機能をインストールする必要があります。
VP9ビデオ拡張機能
マイクロソフトが公式で提供しているビデオ拡張機能です。
「この製品はインストール済みです」という表示になっていれば、あなたのパソコンは既に対応済みです。
AV1 Video Extension (Beta)
マイクロソフトが公式で提供しているビデオ拡張機能です。AV1 コーデックで圧縮された動画を再生できるようになります。
入手ボタンを押して拡張機能をインストールしましょう。「この製品はインストール済みです。」という表示になれば完了です。
実際に webm 動画を再生してみましょう。
先程まで再生できなかった webm ファイルが再生できるようになりました。
Windows Media Playerで再生
ビデオ拡張機能をインストールすると、Windows10 のアプリ「映画&テレビ」の他にも、Windows Media Player でも再生できるようになります。
webm ファイルを右クリックしてメニューから「プログラムから開く」を選択します。
その他のアプリを開きます。
アプリ一覧の中に Windows Media Player があるので、それを選択して OK ボタンを押します。
Windows Media Player で認識されない拡張子ですが、再生できる事があります。と警告が表示されますが「はい」ボタンを押します。
Windows Media Player でも再生できました。しかし、AV1 拡張機能はβ版である為まだまだ不安定な感じです。「映画&テレビ」では安定して再生できました。